一方、同誌ではスマホアプリとウェブ版で配信される「少年ジャンプ+」を2014年9月からスタートさせていますが、アプリのダウンロード数は1600万を突破。アプリ発のコンテンツでも、「SPY×FAMILY」が単行本6巻までで累計800万部を超えるなど、大ヒット作が出ています。

「週刊少年ジャンプ」の強みとしてあげられるのが、男女関係なく読まれている点です。雑誌の分類上では少年向けコミック誌になっているものの、読者層は男性に限定されていません。実際、女の子向けファンシー雑貨店では「鬼滅の刃」や「呪術廻戦」のグッズがたくさん店頭に並んでいます。

また、読者の年齢層も広く、筆者の子どもたちも学校で「ジャンプ系の漫画はお母さんが好きだから」「お父さんが買ってくれる」というクラスメイトの声を耳にするそうです。

子ども時代を振り返ってみると、姉妹のみだと少女コミック誌一択になりがちですが、お兄ちゃんや弟がいると「家に週刊少年ジャンプがある」状態にあり、女の子でもジャンプの人気漫画を読むことは珍しくありませんでした。

さらに、80年代以降から人気作品が次々にアニメ化されたことも潜在的な女子読者層を獲得する大きな要因になったと考えられます。

全ての女子が王道の恋愛漫画が好きだとは限らず、とくに「ドラゴンボール」「幽☆遊☆白書」や「SLAM DUNK」「るろうに剣心」「遊☆戯☆王」は男女関係なく人気を集めていた印象が強くあります。