単に発行部数だけで語れない時代
80年代から90年代にかけて、アニメ放送の効果もあり男子だけではなく女子にも受け入れられるようになった週刊少年ジャンプ。現在は単なるコミック誌の枠組みから飛び出してオンラインや実店舗の「ジャンプショップ」を運営し、人気漫画のグッズ販売をしています。
お気に入りのキャラクターの関連商品を購入する漫画やアニメファンは多く、そうした時代の波に乗っていると、雑誌が売れにくくなっていても、それが即、減収減益になるとは言えなくなっていそうです。
しかし、インターネットを始めとした新しい技術が飛躍的に進歩しても、軸となる作品が魅力あるものでなければ読者を引きつけることはできません。新人作家発掘をして新しい作品を世に出し続けることや、手軽にスマホで漫画が読めるアプリ配信や商品開発が上手くかみ合ったことで「週刊少年ジャンプ」の強さが際立っているようです。
発行部数の減少が何かと指摘されますが、逆に言えばデジタル面を強化すれば良い作品が拡散しやすい時代にもなっています。性別を超え幅広い年齢層から指示されている「週刊少年ジャンプ」の手法は、雑誌全般が巻き返しを図る際の参考になる点が多いのではないでしょうか。
参考資料
- 印刷部数公表(一般社団法人 日本雑誌協会)
中山 まち子