今週は材料の多い1週間になりそうです。株高傾向が続いている一方で、「そろそろ大きな調整が入るのでは」と、投資家が神経質になっており、要人の発言や報道などで株価が上下に振られやすいので柔軟に対応したいところです。
25日線を割り込むが75日線に下値をサポートされる
先週の日経平均の値動きをテクニカル面から振り返ってみましょう。前週末にローソク足の実体が25日移動平均線を割り込んでしまい、先週これを回復できるかどうか注目されました。
実際には、週初に窓をあけて下落、その後も陰線が続きました。しかし、75日線付近で下支えされると、陽線となり、25日線付近まで戻しています。
今週以降の展開はどうなるでしょうか。これまで長期間にわたり下値をサポートされてきた25日線を割り込んでしまったのは少し心配されるところです。
さらに、先週の値動きにより、昨年の10月下旬以来、ずっと上昇していた25日線の傾きが下降になってしまいました。このまま25日線に上値を抑えられるようであれば、警戒する必要があります。
ただ、一つ光があるとすれば、先週の下落でも直近の下値メドである3月5日の安値(28,308円)を割らなかったことです。むしろ、この付近で押し目買いに回る投資家が多かったようです。そういう点では、まだ「買いたい」投資家のほうが優勢のように思われます。
とは言うのもの、しばらくは2月16日の高値(30,714円)と3月5日の安値(28,308円)の間でもみ合うことも考えられます。方向感が出にくい展開が続きそうです。判断が難しければ、心理的節目となる30,000円、2月16日の高値(30,714円)あたりを超えてから出動しても遅くはないでしょう。
下原 一晃