シングルマザーになったとき、一番下の子どもの年齢で最も多いのは0~2歳という調査結果があります。0~2歳といえば、育児で最も大変な時期。まだ仕事ができなかったり、保育園に預けていない女性も多いでしょう。
しかし、離婚となれば仕事をして、子どもを長時間預ける必要も出てきます。また、離婚前の準備段階として、住むところを探さなくてはいけません。その大変さに、辛い思いをしても今の境遇で我慢するという人も少なくないでしょう。
仕事探し、保育園探し、家探しと、どれ一つとっても苦労することを、小さい子を抱えながら行うのは容易なことではありません。ただ、今は選択肢も増えているので、少しずつ”スロースタート”で動き出すことも可能ですし、子どもが小さい時期だからこそ専門家に相談することも重要。
筆者の実体験も交えながら、この3つの探し方について考えてみましょう。
シングルマザーを決意する人は子どもが小さい場合が多い
厚生労働省の「平成28年度全国ひとり親世帯等調査結果報告」によると、シングルマザーになったときの末の子の年齢は、0~2歳が38.4%、3~5歳が19.5%、6~8歳12.6%で、平均が4.4歳。子どもの手がかからなくなるのは小学校高学年からと言いますが、末の子が0~8歳で離婚する人は約7割を占めます。
特に約4割を占める0~2歳の頃は母親の体調が出産前に戻りきらなかったり、夜間授乳や夜泣きで寝不足が続いたり、常に抱っこやイヤイヤ期への対応がある時期。育児や家事をしながらだと、仕事をする時間も限られます。
また、初めて保育園に預けるのにも子どもに泣かれたり、毎月のように風邪をもらってきたりと、物理的にも精神的にも多くの壁がある時期です。
それでも、離婚を考えるような状況であれば、自分にとって耐えがたい事由が起きたり、周囲の意向などで急に話が進むことも。そうした時期に「仕事・保育園・家」を探すのは厳しいものがありますが、前もってめどをつけておいたり、一つずつスロースタートで探していくという方法もあります。
まずは家探し。離婚協議中に別居する家庭が多い
3つの中でも、まず急に必要となることが多いのが住居です。離婚の話し合いの段階で、別居を始める夫婦は多いもの。実家に頼れるならいいですが、実家に戻れなかったり、上の子に転園や転校をさせたくないなど事情がある人もいるでしょう。
実家に戻れない場合は、今の家に住み続けるか、アパートを借りるかの選択になります。今、住んでいるところが持ち家の場合、まず不動産の名義と、住宅ローンの名義、また住宅ローンの連帯保証人はいるか、いるなら誰かを早めに確認しておきましょう。
たとえ離婚する相手が有責であっても、名義変更には時間がかかる場合が多いもの。また、離婚後に夫名義の家に妻が住み続ける場合、住宅ローンの返済ができないと判断されれば、家を競売にかけられてしまうといったリスクもあります。
借りる場合は、民間賃貸やUR(独立行政法人)といった選択肢があります。公営住宅は家賃が安く人気ですが、基本的には離婚してからでなければ申込めず、また地域によっては倍率が高く入居までに時間がかかるケースもあります。初めは民間賃貸に入居し、離婚後に公営住宅に申し込むのも良いでしょう。
最も不安なのが、「専業主婦やパートだと賃貸の審査に通らないのでは?」ということ。審査時には雇用形態や収入を記入しますが、無職でも預貯金等によっては通るケースもあるので、まずは不動産屋さんに事情を話して相談してみましょう。
また、別居中であっても「婚姻費用※」を受け取る権利があります。その額については、裁判所の「養育費・婚姻費用算定表」で決められています。毎月確実に貰えない不安があるなら、婚姻費用調停を行うこともできます。家探しや婚姻費用については、無料の弁護士相談を利用するのもいいでしょう。
筆者の場合は在宅ワークをしていたので、在宅ワークと婚姻費用で賃貸物件を借りました。様々な理由で仕事ができない場合は、公的制度を利用する方法もあります。こればかりは素人では分からないことが多いので、まずは話を聞くだけでも、市役所や弁護士に相談することをおすすめします。
※婚姻費用とは、夫婦が生活する上で必要となる全ての生活費のこと。たとえば、住居費や食費、子供を育てるのにかかる費用などで、婚姻費用は夫婦がその負担能力(収入の大小等)に応じて、分担する義務を負っています。別居している場合でも、生活費を受け取りたい側は相手に婚姻費用を請求することができます。
仕事に保育園、両方とも”スロースタート”が可能
家と同時に、必要なのが仕事探しと保育園探しです。この2つは関連しているので、同時に探すことになります。
特に待機児童が多い地区では保育園探しが難しいことも多いので、場合によっては引っ越しが一つの選択肢になることもあります。まずはマザーズハローワークやハローワークのマザーズコーナー、市役所の保育課へ相談に行きましょう。
可能ならば「もしかしたら離婚になるかも」と少しでも離婚が頭をよぎった段階で、もしくは離婚協議中に、まずは一時保育を利用してみてください。
一時保育を利用すると、初めは子どもが泣いても段々と慣れることで、親側には「保育園でも預けられる」という自信が、子ども側にも「保育園に通うという意味が分かる」といった安心感が多少得られます。
仕事についても、急に正社員になるのは簡単ではないでしょうが、パートや在宅ワークであっても保育園の入所基準となる勤務時間を満たすと申し込みができます。ただし、待機児童が多い場合は基準を満たしても入所できない場合があるので、注意しましょう。
実際に筆者は在宅ワークをしていたため、まずは一時保育を利用し、仕事量が増えてから保育園を利用するようになりました。周囲に頼れる人がいない場合こそ、在宅ワークでスロースタートするのは育児中でも取り組みやすいやり方でしょう。
支えになるのも家、仕事、保育園
離婚前に探すのは大変ですが、支えになってくれるのも家と仕事と保育園です。別居をすれば精神的ストレスも減りますし、仕事は一番の安心につながるでしょう。
また、保育園に預けるということは、先生も一緒にわが子を見てくれるということです。子どもが自分以外に慣れ親しんだ大人ができるわけですし、先生もプロですから、さまざまなことに気付いてくれます。育児の不安があれば積極的に相談したり、アドバイスをもらってください。
市役所やマザーズハローワーク、弁護士、保育士といたプロへの相談は、初めはハードルが高く感じます。しかし相談することで、新たな選択肢を提案してくれたり、情報提供してもらえたり、アドバイスをもらうこともできます。まずは相談し、自分にできることから始めてみましょう。
参考資料
- 平成28年度全国ひとり親世帯等調査結果報告(厚生労働省)
