新卒の手取りはいくらになるのか

手取り額は、給与から税金や保険料などが控除された後、実際に手元に入ってくる金額です。控除されるものには、所得税、住民税、健康保険料、雇用保険料、厚生年金保険料などが挙げられます。

税金や保険料は扶養家族の有無などで金額が変わりますが、一般的に独身の場合、総支給額の8割程度が手取りといわれています。これに基づき、先述の平均初任給のデータから手取り額を計算すると以下の金額となります。

男性

  • 大学院修士課程修了:19万1,200円
  • 大学卒:17万240円
  • 高専・短大卒:14万7,760円
  • 高校卒:13万5,120円

女性

  • 大学院修士課程修了:19万640円
  • 大学卒:16万5,520円
  • 高専・短大卒:14万6,720円
  • 高校卒:13万1,680円

手取りで考えると、大卒でも男性は17万円、女性は16万円と、多くもらえているわけではないことがわかります。また、これは平均金額であるため、さらに給与が低い人もいるようです。

奨学金を返さなければならない人も多い

高卒と比較して大卒の方が給与の多い結果となっていますが、大学に通うためには高額な学費がかかりますよね。親が学費を払ったり、本人がアルバイトをして学費を賄ったりすることもあるかと思いますが、実際のところは生活が苦しく奨学金を借りなければならない状況だった人もいるのではないでしょうか。

2019年3月に労働者福祉中央協議会(中央労福協)が発表した「奨学金や教育負担に関するアンケート調査」の結果によると、39歳以下の勤労者のうち、学生時代に日本学生支援機構(JASSO)の奨学金を借りた人の割合は46.9%と、およそ2人に1人が学生時代に奨学金を利用しています。

また、奨学金の借入総額の平均は324.3万円。毎月の返済額は平均1万6,880円となっています。奨学金の返済(返還)は、貸与が終了した月の翌月から数えて7カ月目から始まります。通常大学を卒業する3月に奨学金の貸与が終了となるため、10月から2万円近くもの奨学金を返し始めなければなりません。

先ほどの手取り額から考えると、1人暮らしをしながら奨学金を返す場合、生活費が圧迫されることが考えられるでしょう。