社会人1年目、1人暮らしの生活は余裕がない

では一般的な大卒男性の初任給の手取り額で、1人暮らしの場合はどのような生活が送れるのか考えてみましょう。

新卒男性 手取り額17万円 都内在住 奨学金返済あり

家賃 6万円
水道光熱費 1万2,000円
通信費(スマホ・インターネット) 1万円
食費 3万円
日用品・医療費 6,000円
交際費 1万5,000円
洋服代 1万円
趣味 1万円
奨学金返済 1万7,000円

合計17万円

このような生活で、支出額は手取り額とピッタリの17万円ほどとなります。都内の家賃相場から考えると、家賃6万円の賃貸はワンルームや1Kの広さで、ユニットバス、築年数が古い、駅から遠いなど、条件が良いとはいえない部屋です。

社会人1年目は会社の先輩や上司、同期との飲み会、学生時代の友人と集まる機会なども多くあり、交際費はどうしても削れません。日々の食費を削るために自炊を頑張ろうと思っていても、慣れない仕事で疲れてコンビニ弁当を買ってしまう日もあるでしょう。まだ揃えていないスーツやシャツ、オフィスカジュアルの服などを揃える洋服代もかかります。

それを考えると、食費や交際費、洋服代などどれも贅沢をしているとはいえない必要最低限の出費といえるのではないでしょうか。この手取りだと、頑張って節約をしても貯金できるのはせいぜい月1万円ほど。病気になった時の医療費や冠婚葬祭など急に必要になるお金も、貯金がない場合は生活費から捻出しなければなりません。

「1人暮らしをしたい!」と実家を飛び出すと、社会人1年目の厳しさを目の当たりにすることでしょう。

まとめ

新卒の初任給、生活ぶりについて解説してきました。現代の若者は税金や年金の負担も大きく、生活は苦しい状況です。「自己責任」と切り捨てるのではなく、社会全体で未来ある若者たちを支えていきたいものですね。

参考資料

石黒 杏樹