国内では緊急事態宣言が21日に全面解除され、経済活動再開への期待も高まるところです。旅行・運輸・レジャー・飲食などの業種で需要回復が見込めそうです。さらに金融など景気敏感株も買われる傾向にあります。

米長期金利の動きには注意しながらも業績の改善が見込める銘柄を中心に物色したいところです。

25日線に下値をサポートされて堅調な動き

先週の日経平均の値動きをテクニカル面から振り返ってみましょう。前週末にローソク足が大きな陽線となり、実体が25日移動平均線を回復しました。先週は、この25日線をキープできるかどうかが注目されました。

実際には、週初は窓をあけて上昇。その後も陽線が続き、18日には終値ベースで30,216円と3万円台を回復しました。19日には大きく下落し陰線となりましたが、25日線付近で下支えされています。

今週以降の展開はどうなるでしょうか。3月上旬に、これまで長期間にわたり下値をサポートされてきた25日線を割り込んでしまいましたが、再び回復したことで、昨年10月末以降続く中期的な上昇トレンドは維持されています。

ただ、このトレンドの調整がそろそろ来そうなところではあります。パターンとしてはいくつか想定できます。10月30日~2月16日までの上昇の3分の1押し(28,000円付近)はあるかもしれません。ただし、3月5日の安値(28,308円)あたりでの押し目買いを狙っている投資家も多そうです。

一方、1月29日の安値(27,629円)を割ると、中期的な上昇トレンドが崩れるので注意が必要です。短期的には2月16日の高値(30,714円)と3月5日の安値(28,308円)の間でもみ合うことも考えられます。

心理的節目となる30,000円、2月16日の高値(30,714円)あたりを力強く超えてくるようであれば、自信を持って上目線で「買い」で付いていっていいでしょう。まずは今週、このあたりを突破できるかどうか注目したいところです。

下原 一晃