65歳になったら年金生活が始まることを前提に、仕事やお金の計画を立てていらっしゃる人も多いかと思います。
長引くコロナ禍をふまえ、老後を見据えた長期的なマネープランを練り直している、というご家庭もあるでしょう。
さて、2021年度の公的年金支給率は、賃金の変動をふまえて前年より0.1%減額となることが公表されています。
ごくわずかな額ではありますが、「年金が減る」という響きは、厳しい雇用環境と戦う現役世代にとっては、年金不安に直結しそうなニュースではありますね。
さて、私たちの老後生活の柱となる老齢年金の受給開始年齢は「原則」65歳から。
老齢年金には、本来(65歳から)の受給開始時期の他に、
- 60歳~64歳で受給を始める「繰上げ受給」
- 65歳より受給開始を遅くして受給額を増やせる「繰下げ受給」
があることをご存じでしたか?
どちらの制度も一度申請すると変更が認められません。
申請時には慎重な検討が必要となるため、還暦前にぜひ知っておいていただきたい制度です。
そこで今回は、『59歳までに知りたい「年金を84%増やす方法」』と題して、年金の繰下げ制度についてお伝えしていきます。
年金制度のキホン
さいしょに、「2階建て制度」などとよばれる、日本の公的年金制度の仕組みをおさらいしていきます。
1階部分「国民年金」・・・日本に住む20歳以上60歳未満の全員に加入義務
2階部分「厚生年金」・・・公務員や会社員などが「国民年金」に上乗せして加入
そして、老後に受給するのは
- 厚生年金に加入していた人(サラリーマン・公務員)は「老齢基礎年金」+「老齢厚生年金」(1階部分+2階部分)
- 国民年金のみに加入していた人(自営業、フリーランス、専業主婦(夫))は、「老齢基礎年金」(1階部分のみ)
となり、支給開始年齢は「国民年金」「厚生年金」どちらも原則65歳です。