「コロナ禍」なる言葉が生まれ、早くも1年が経とうとしています。

総務省が発表した「家計調査 2020年令和2年平均」によると、二人以上の世帯の消費支出は、物価変動の影響を除いた実質で前年から5.3%減少となりました。

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大により、レジャーや外食の大幅な自粛が続いたことが背景にあるといってよいでしょう。

また、「巣ごもり需要」の波に乗った企業と、外出自粛のあおりを受けた企業の間には、業績面においてはっきり明暗が分かれる傾向がみられます。

では、コロナ前後で家庭の貯蓄額はどう動いているのでしょうか。

今回は定年退職前のラストスパートの時期を迎えた人が多い、50代の貯蓄事情にフォーカスしていきます。

アフターコロナ「令和2年」50代の貯蓄事情

令和元年(2019年)家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査]」、および、2月26日に発表された金融広報中央委員会「令和2年(2020年)家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査]」から、50代の貯蓄事情を整理します。

50代の金融資産保有額(金融資産を保有していない世帯を含む)

平均値
2019年:1194万円→2020年:1684万円

中央値
2019年:600万円→2020年:800万円

2019年の調査結果より平均値で490万円、中央値で200万円増えていることが分かります。

 

【平均値と中央値】
中央値とは、データを小さい順、あるいは大きい順に並べたとき、ちょうど真ん中にくる値を指します。平均値は極端に大きな数値に左右されやすいため、中央値の方がより実勢に近い数値と言えるかもしれません。

 

では、同様に金融資産の保有割合の変化も見てみたいと思います。