国内では新型コロナウイルスを巡り首都圏1都3県に発令中の緊急事態宣言を21日までで解除する方向であると伝わりました。

宣言が解除されれば、飲食や観光などでの経済再開も期待できます。ただし、解除によるリバウンドも心配されるため、反対する声も少なくありません。今後の動向を注視したいところです。

25日線を再び回復、中長期的な上昇に期待

先週の日経平均の値動きをテクニカル面から振り返ってみましょう。3月第1週にローソク足の実体が25日移動平均線の完全に下側に位置するようになりました。このまま上値を抑えられると下降トレンドが形成されてしまうだけに心配されました。

前週末、いったんは下落するものの、長い下ヒゲを付けた陽線となりました。これは「買いたい」投資家と「売りたい」投資家が拮抗し、最終的に「買いたい」投資家が勝ったことを示します。

ところが、翌9日には大きな陰線となり、往って来いでこの上昇分を打ち消してしまいました。25日線も回復できなかったため、懸念されるところでしたが、その後は陰線と陽線が交代で出るような形となり、週末には25日線を上抜けました。

今週以降の展開はどうなるでしょうか。これまで長期間にわたり下値をサポートされてきた25日線を割り込んでしまったことは心配でした。

しかし、12月の下旬、1月の下旬と同様に、25日線をいったんは割ったものの、再び回復。振り返って見れば、中長期の視点では押し目買いの好機になっていました。

1月29日の安値(27,629円)を下回ると中期的な上昇トレンドが崩れるところでしたが、それ以前に反発しました。10月下旬から続く上昇トレンドのトレンドの強さを感じさせます。

上値メドとしては、心理的節目となる30,000円、2月16日の高値(30,714円)などになります。このあたりを力強く超えてくるようであれば、大げさでなく、日経平均最高値の38,957円も視野に入ってきます。

下原 一晃