結局、会議の位置づけが大切

会議の方法以外にも、アマゾンには興味深いルールがあります。たとえば「ピザ2枚ルール」。チーム編成・人数に関するルールで「ピザ2枚を分け合える程度の規模のチーム人数が適正」というものです。つまり、あまりに大人数では生産性が落ちるという考え方です。

会議の話に戻れば、やはり一番重要なのは、その会議の「位置づけ」だと思います。「メンバーが意思統一するためなのか」「根本的な打開策を考えたいのか」などの、会議テーマの設定ということです。これが日本の場合、曖昧なケースが多い。会議をしたというエビデンスを残したいというケースさえありますからね。

最近、これとちょっと似た、怖い話を読みました。シリコンバレー界隈で日本企業は相手にされていないケースも多いという話です。「アイツら(日本企業のこと)は情報収集に来ているだけだから」というのが、その理由。

シリコンバレー・ルールでは、ある程度、具体化されたビジネスモデルを持参し、それを実現する技術について議論するのが通常とのことです。つまり、ひとつのアクション(たとえば会議)に対する位置づけが異なり、またそれを理解していない。

多分、ここから導きだせるのは、ビジネスのカタチが会議の進め方を規定するということだと思います。その逆は、あまり期待できないのはないでしょうか。

ともあれ、企画書の枚数の話ではないと思います。そんなことを言い出すと、日本の出版業界の伝統的な企画書ルールはA4・1~2枚ですから。日本の出版業界がアマゾンの先を行っているという話になってしまいます。

榎本 洋