水素FCVは脱炭素モビリティの主役になるか
水素FCVの普及のためには、人類が長年にわたって築き上げてきた化石燃料によるエネルギー獲得と利用のインフラ設備をやめ、水素エネルギーのインフラを整備しなければなりません。この切り替えは簡単なことではありませんが、これが進めば水素FCVの生産量も増え、その価格も手の届きやすいものになるでしょう。
こうした課題に対し、経済産業省は「水素社会実現に向けた産学官のアクションプラン」として、水素・燃料電池戦略ロードマップを策定。車体の価格低減や水素ステーションの整備、水素供給価格の安定化、CO2フリー水素の活用に向けたカーボンリサイクルの実用化など、環境問題解決や経済効果が期待できる水素FCV普及を後押しする方策をまとめています。
CO2排出実質ゼロ、枯渇性化石燃料に頼らない脱炭素社会の実現を目指して世界が激しく動く中、次世代モビリティの主役候補として脚光を浴びている水素FCV。まさに100年に一度の自動車産業の革命が起こりつつありますが、その革命の中心にあるのは「水素」という新エネルギーです。
この水素の製造方法や利用、夢の人工光合成などについては、次回の記事で詳しく解説しましょう。
参考資料
- 次世代自動車(乗用車)の国内販売台数の推移(一般社団法人 日本自動車工業会)
- EV等 保有台数統計(一般社団法人 次世代自動車振興センター)
- FCV市場、2030年に2兆2084億円を予想 富士経済(Response)
- MIRAI エコカー対象グレード(トヨタ自動車)
- 水素・燃料電池戦略ロードマップ(経済産業省)
和田 眞