水素FCVの購入補助金

水素FCVは環境性能に優れた次世代型自動車ですが、車体価格が高額という難点があります。そのため、国や自治体では、購入・保有に対する補助金や税制の優遇措置(クリーンエネルギー自動車導入事業費補助金、自治体主体の補助金、グリーン化特例、エコカー減税)など、普及促進のためにさまざまな対策を行っています。

ちなみに、トヨタのMIRAIのメーカー希望小売価格は710万円〜805万円ですが、エコカー減税、環境性能割、グリーン化特例、クリーンエネルギー自動車導入事業費補助金を合わせた優遇額は、(グレードにより異なりますが)おおむね140万円前後になるようです。

ただし、エコカーへの優遇措置は各自治体によって異なるので、居住地域で独自の補助金制度があるかどうか確認が必要です。現時点において水素FCVの購入を考えている方は、国や自治体の補助金や税制など、あらゆる優遇措置を活用しましょう。

水素FCVのメリットとデメリット

ここで改めて、水素FCVのメリットとデメリットをまとめます。

メリットは?

  1. 排出されるのは水のみ、CO2排出はゼロで環境に優しい。
  2. ガソリン車と比べ水素FCVはエネルギー効率が2倍ぐらい高いので、多くの経済的効果が期待できる。
  3. 充電に数時間かかるEVと違い、水素FCVは数分間という短時間で燃料を充填できる。
  4. EVに比べ航続距離が長い。
  5. 内燃機関ではなくモーターによって駆動するため、エンジンの振動や排気による騒音がない。

デメリットは?

  1. 水素FCV車の燃料電池の電極には、白金などの貴金属の触媒層が担持されているため高価格になる。
  2. 水素ステーションなどインフラの整備が必要(日本の水素ステーションは2019年12月現在で112ヵ所、東京には21ヵ所)。
  3. 水素FCVの燃料電池は、乗用車の実用水準とされる20万kmの耐久性は達成しているものの、タクシーやバス、トラックなどに求められる100万km程度になるには、さらなる耐久性向上が必要とされる。
  4. 水素を製造する過程で多量のCO2が排出されるので、水素製造過程の技術開発が必要。