株式市場の振り返り-商いは引き続き高水準な一方、新興市場は危機的な閑散相場に

2016年10月31日(月)の主要指標(カッコ内は前日終値比)

  • 日経平均株価 17,425円(▲21円、▲0.1%) 小幅反落
  • TOPIX 1,393.0(+0.6、+0.04%) 小幅続伸
  • 東証マザーズ総合指数 936.2(+0.5、+0.1%) 3日ぶり反発

東証1部上場銘柄の概況

  • 値上がり銘柄数:866、値下がり銘柄数:981、変わらず:138
  • 値上がり業種数:14、値下がり業種数:19

東証1部の出来高は22億4,263万株、売買代金は2兆3,298億円(概算)となりました。いずれも前日より減少ですが、引き続き高水準をキープしています。資金シフトはまだ強いと見てよさそうです。したがって、日経平均株価は小幅反落となりましたが、心配するような状況ではありません。

ただ、今後は、週末に予定されている米国雇用統計の発表を見据えた動きが出ると考えられますので、荒い値動きには注意が必要となるでしょう。

一方、東証マザーズの出来高は2,864万株、売買代金は435億円でした。総合指数は反発となったものの、これは約3年半ぶりの薄商いとなる非常事態です。こうした薄商いが続くと、反発力も弱まるため、回復トレンドを描くことが難しくなります。

何か資金流入のきっかけになるような材料が欲しいところですが、目立ったIPO案件も少なくなるため、当面は難しい状況が続くかもしれません。

武田薬品工業など薬品株の多くが大幅下落、東京エレクトロンは久々の急騰に

個別銘柄では、売り買いが交錯した結果、特段目立った動きは見られませんでした。その中で、ファーストリテイリング(9983)が値を下げ、ブリヂストン(5108)も大幅下落となりました。また、武田薬品工業(4502)やアステラス製薬(4503)など薬品株の不振が目立っています。三井不動産(8801)も小幅続落でした。

一方、好決算への期待からファナック(6954)が上昇し、東京エレクトロン(8035)は急騰となりました。また、東芝(6502)にも再び買いが優勢となり、年初来高値を更新しています。なお、任天堂(7974)は小幅下落、JR九州(9142)は堅調な推移となっています。

新興市場では、串カツ田中(3547)が反落となりました。上場以降続いてきた串カツ人気ですが、正念場を迎えている可能性があります。また、医薬バイオ関連銘柄に下落が目立ち、そーせいグループ(4565)やグリーンペプタイド(4594)などが大きく値を下げました。

全体的には、閑散相場の影響で静かな値動きとなり、新興市場らしいダイナミックな値動きはほとんど見られなかったようです。

 

青山 諭志