ずっと連絡が取れる今の時代は、一見すると便利で良いことにも見えます。その反面、それまで「近所で同じ学校」という共通点のみでつながっていた関係が、ずっと続く可能性も秘めています。将来の夢や学力によって進路が決まる高校以降では「旧友」との考えにズレが生じ、連絡すること自体が精神的負担になることもあるようです。
20年以上前から携帯電話は若者に浸透しているが
振り返ると、今の親世代は青春時代にPHSや携帯電話を利用しており、「風の便り」の経験が減っていった世代でもあります。ただ、当時は高校生頃に携帯デビューすることが多く、それはちょうど地元の同級生と疎遠になりつつある年齢に当たります。また、携帯電話の買い替えや契約会社変更のついでに、連絡先を整理することも珍しくありませんでした。
筆者自身も2006年から始まったMNP(ナンバーポータビリティ)制度まで、機種や携帯電話会社の変更で3、4回電話番号が変わり、その都度、全く連絡を取り合っていない相手先を整理した記憶があります。
しかし、PHSや携帯電話からスマートフォンへとコミュニケーションツールが変わり、所持する時期が低年齢化している今では、旧友や同級生とのつながり方は20年前とはかなり異なります。
LINEの登場で「ずっとつながれる」環境に
NTTドコモの「モバイル社会研究所」が2020年1月に行った「SNS利用動向」(調査対象:全国の15~79歳男女、有効回答6925)によると、10代のLINE利用率は93.6%。中高生にとってLINEは、日常生活に欠かせない連絡ツールとなっていることはデータからも明らかです。