LINEは、グループを作れば簡単に複数の友人に連絡できる便利な機能があります。卒業前にクラスのLINEグループを作っておけば、同窓会を思い立ったらメッセージを送信するだけで終了。ひと昔前のように、文書を作成して出欠を取って、というような手続きが全て省けます。

その反面、LINEのID交換は気軽に行えるため、本当は参加したくないグループでも周囲の盛り上がりにのまれ、とりあえず参加するケースも少なくないでしょう。個々の進路や考えが大きく変化し、新たな人間関係を構築していく多感な時期に、学区の縁や小中学生時代のクラス内の立ち位置をずっと引きずってしまう側面もあるのです。

文明の利器は諸刃の剣

スマートフォンの登場で、場所を選ばず動画や音楽を楽しんだり、家族や親しい人とのコミュニケーションを簡単に取ることができるようになりました。一方で、人間関係の清算が思うようにできなかったり、望んでいない旧友とのつながりが維持される環境にもなっています。

今の中高生が10年後に、卒業アルバムをめくりながら「あの子、今は何しているんだろう」と物思いにふけることも、極端に減ってしまうのかもしれませんね。

参考資料

令和元年度青少年のインターネット利用環境実態調査(内閣府)
SNS利用動向(NTTドコモ、モバイル社会研究所)

中山 まち子