3月は卒業式が各学校で行われる「別れの季節」でもあります。昨年は新型コロナウイルスの感染拡大で臨時休校措置が取られたため、時間の短縮や親の出席が見送られるなど混乱の中で式が行われました。今年の卒業式もコロナ以前のように盛大には行えませんが、やはり学び舎を巣立っていく子どもたちにとっては大きな節目の行事です。

小学校から中学校への進学は、東京都心のように中学受験が盛んな地域を除けば、学区内の公立中学校への進学が主流です。そのため、地元の同級生と離れ離れになるのは高校進学時というケースが多いのではないでしょうか。そして、その時に「小・中の同級生との縁が切れる」のも、昔は珍しくないことでした。

しかし今はスマートフォンの普及で、進学先が異なる同級生ともつながったままの状態でいられる時代になっています。もはやデジタルネイティブの子どもたちにとって、「風の便り」という言葉は死語になってしまうのでしょうか。

高校生のスマホ所持率は98%を超える

携帯電話やスマートフォンが登場する前の時代。卒業後は、一握りの友人を除けば同級生の多くと疎遠になり「そういえばあの子はどうしているかな」と風の便りを聞くだけになった、というのは誰もが経験したことでしょう。しかし、今は中学生でもスマートフォンの所持率が高くなり、同級生との連絡が容易になっています。

内閣府が2020年4月に発表した「令和元年度 青少年のインターネット利用環境実態調査」によると、高校生(798人)の98.6%が自分専用のスマートフォンを使っていることが分かりました。中学生(814人)の所持率も81.8%と高く、SNSやコミュニケーションアプリで簡単に旧友と連絡できる、つながれる環境になっているといえます。