2021年は的を絞った支援を継続するとともに金融政策を正常化、急激な政策転換はない見込み

当局は、不動産・金融規制の強化、地方自治体の債務リスク管理に加え、流動性/市場金利の段階的な正常化、信用とマネーサプライの成長の緩やかな減速を通じ、緊急支援措置のテーパリングを継続的に実施するとみられる。人民銀行は、今後も慎重な流動性の調節を継続し、マネーサプライの伸びを管理し、実体経済への的を絞った信用供与を確保しつつ、金融・不動産市場への過剰な流動性の供給を抑えるであろう。

また、当局は、利上げのような、大きく広範な経済的影響をもたらす従来型の金融政策ではなく、マクロ・プルーデンス的な手法を用いて資産バブルリスクの抑制を図るとみられる。

習近平国家主席と人民銀行の易綱総裁を含む指導部は、突然の政策転換や早急な経済支援対策からの撤退はないとの安心感を与えるメッセージを送っている。

易綱総裁は政策の安定性と継続性を強調し、政策は景気回復を支援することと、マクロ・レバレッジ比率の上昇、不良債権の増加、外部環境要因の不確実性などのリスクを防ぐこととのバランスをとりながら進めていくことになる。政策の正常化による潜在的な成長への影響は、企業収益と家計所得の改善によって緩和されることが期待される。