大阪が東京より生活費が高い都市と聞いてどう思われるでしょうか。実は、英エコノミスト誌の調査部門エコノミスト・インテリジェンス・ユニット(EIU)が毎年2回まとめている世界生活費調査によると、2019年から大阪が東京より生活費が高い都市ということになっています。
調査によると意外なものが東京より高いということが分かりました。一体何が大阪を東京よりも生活費が高い都市にしているのでしょうか。その背景に迫ります。
大阪が世界で一番生活費が高い都市?
大阪と言えば「天下の台所」、手頃で美味しいものが溢れた街として知られています。また、お笑い芸人の影響もあるせいか庶民的なイメージをもっている人が多いともいえます。そのため筆者は、2019年から大阪が東京よりも生活費が高い都市というEIUの調査結果を不思議に思っていました。
2020年3月にEIUが発表した“Worldwide Cost of Living 2020”(※1)ではなんと、大阪はシンガポール、香港に並び世界第1位になっていました。東京は8位でした。その後9月の報告(※2)では大阪は5位に落ちてはいますが、東京はトップ10にも入っていません。
通貨が違えば為替の影響もあります。また各国の政治、経済状況により順位に変動がみられることもあります。しかし、大阪と東京ではほぼ同じ条件で比較されるはずです。この調査結果に首を傾げる日本人は筆者だけでしょうか。
しかしEIUは世界トップレベルの調査機関です。世界各国の政治や経済状況を調査、分析し国際的な大企業や政府関係機関などに提供しています。この調査では世界中の133都市を対象に138の製品やサービスの価格を比較し、綿密に分析しているはずです。