万博の影響はあるのか

大阪が2025年の国際博覧会(大阪・関西万博)の開催地となることも関係しているようです。大阪が万博の開催地として選ばれたのが2018年11月です。EIUの生活費調査ランキングで大阪が東京を抜いたのがその直後の2019年です。

財団法人日本不動産研究所の第 15 回「国際不動産価格賃料指数」(2020年10月)の調査書(※4)をみると、大阪のマンション価格指数が2018年の後半から緩やかに上昇しているのが分かります。東京はほぼ一定です。

万博が開催されることで、開催地となる夢洲を中心としたインフラ整備や都市開発に期待が寄せられているのでしょう。

また、大阪はカジノを含む統合型リゾート(IR)の有力候補地に挙げられていることでも注目を集めました。しかし、コロナ禍の影響で当初の計画は思うようにはいかないようです。2月12日の日本経済新聞の記事(※5)で、大阪府・市は「実施方針案」を修正したと伝えられています。当初2025年春までに開業する方針案を、今回の修正では完成時期は明示していないということです。

実際に大阪と東京で暮らした経験者達からは、大阪のほうが暮らしやすいという意見が多いようです。いくら男性スーツやパソコンが高いからといっても、正直なところやや説得力に欠けるように感じます。残念ながら、この調査の詳しい分析はレポートを購入した企業や政府だけしか見られないのでこれ以上の情報は筆者には分かりません。今後EIUの世界生活費調査で、大阪のランキングがどう変化するのか注目したいところです。

参考資料

美紀 ブライト