超エリート知性派―ミシェル・オバマ
ミシェル・オバマ夫人は、自分の知性と努力と人間性で地位と権力と経済力を手に入れた女性です。飾らない庶民的な性格と人を惹きつける話術で、どの階層の女性にも希望と勇気を与えるカリスマ性に溢れた人気者です。
ミシェル夫人はシカゴの労働階級の安定した家庭で育ちました。子どもの時から成績優秀だった彼女はプリンストン大学卒業後、ハーバード大学ロースクールに進み弁護士となりました。
アメリカでは第2次世界大戦後、“GI Bill”という復員兵に支給される教育手当の影響もあり、高等教育が特権クラスだけのものでなくなり平等化が進み、実力主義の傾向が強くなりました。それにより、教育は経済的な成功のカギとみられるようになったのです。20世紀後半からは彼女のように実力で富裕層の仲間入りをする女性が目立ちはじめました。
このようなエリート富裕層の女性は高級品を身につけたり、贅沢するのも自分で稼いでいるという自信に満ちています。富を見せびらかすというよりも自分の成功を実感しているようです。
ですが、「リムジン・リベラル」と揶揄される場合もあります。女性に限らずエリート富裕層は比較的、民主党支持者が多いのですが、平等や正義を叫び貧困層に寄り添う態度を見せながらも、実際はリムジンに乗るような贅沢なライフスタイルを楽しんでいるではないかという皮肉です。
別の記事(※)でも書きましたが、最近は“Working Rich”という新しいタイプのエリート富裕層はそのように見られたり、道徳心を疑われることを避け、目立たない贅沢をする人が増えているようです。
学歴不要の美セレブ妻―メラニア・トランプ
メラニア・トランプ夫人は、恵まれた容姿でかなり年の離れた富裕層の妻になったのは周知の事実です。
高校を卒業して一流モデルとまではいえませんが、厳しいモデルの世界を自力で生き抜いてきました。周りに何といわれようと富裕層の妻となり大統領夫人にまでのし上がったのですから、かなり芯が強く賢い女性といえるでしょう。
メラニア夫人の若々しい容姿と洗練されたファッションセンスは、ファンションや美容に興味のある女性の注目の的です。憧れのセレブ妻像なのかもしれません。彼女は華やかな生活で優越感を楽しむタイプの富裕層の代表的な例といえるのではないでしょうか。
多様化する富裕層
富裕層の娘でもない限り、女性が経済力や地位を高めるにはミシェル夫人のように高学歴でエリート職につくことだと女子は教えられた時代がありました。しかし、メラニア夫人のように容姿を手段に「セレブ妻」の地位を掴むことも最近は珍しくなくなっているようです。
その背景にはアメリカの資本主義の構造の変化と共に、ブッシュ家のような何代も続く富豪とはちがう、新しいタイプの富裕層が増えていることがあります。一代で富裕層になった男性の中には、結婚相手の学歴や家柄よりも華やかさやタフさを重視する人も結構いるようです。
またキム・カーダシアン一家のように、派手な私生活を売り物に成功する女性達もあらわれ、過去世代のように学歴に執着しなくても女性が富裕層になる方法は多様化しているようです。
いかがですか。歴代大統領夫人から全く異なる3つのタイプの富裕層女性を見てみました。富裕層と呼ばれる女性達の特徴は政治的背景でも違うし、また時代や文化の変化と共に変わっているようです。
参考資料
美紀 ブライト