ニュージーランド航空の元社員は医療関連業界に再就職
人材を提供する企業の代表としては、ニュージーランド航空、娯楽サービス企業のスカイシティ、旅行代理店のハウス・オブ・トラベルなどが挙げられます。
先だってテレビのニュース番組「ニューズハブ」では、ニュージーランド航空に11年間キャビンクルーとして勤務していた男性の再就職の様子と心情が紹介されていました。男性はキープ・ニュージーランド・ワーキングを通して、現在老人ホームの経営などを手がけるライマン・ヘルスケアで勤務しているそうです。
同番組によると、キープ・ニュージーランド・ワーキングは、大卒でニュージーランド航空に入って以来、11年間履歴書を書く必要もなく勤務してきたこの男性を、履歴書書きからサポートしたそうです。
人材と、人材を受け入れる企業との仲人役として手を貸すのは、キープ・ニュージーランド・ワーキングを主導するNZインクの1社、就職あっせんを行うエマージェント。その創設者であり、コンサルティング・ディレクターを務めるカーメン・ベイリーさんは、同じ企業に長年勤める人は仕事熱心であり、優秀な人材であることが多いと話しています。
また、カウンティ―ズ・マヌカウの地域医療保健委員会の代表は、多くの優秀な人材を医療現場では必要としているとコメントし、男性のような求職者を歓迎しています。
一方で、メンタルヘルス・サービスを行うクリアヘッドの創設者で最高経営責任者のアンジェラ・リム博士は、コロナによる解雇はあまりに突然のことだけに、従業員は収入だけでなく、生きる目的をも失ってしまう傾向があると忠告しています。
紹介された男性も、前の職場は現在の自分を形成した場所であり、第2の家庭であり、共に働いてきた人は家族だったと語り、突然の解雇のショックを隠し切れない様子でした。
今後さらに失業者が出る可能性
1月26日、ジャシンダ・アーダーン首相は、国境封鎖はほぼ今年いっぱい続くことになると会見で述べました。これは海外旅行者が入国できないことを意味しており、昨年来、観光業界に大打撃をもたらし、失職者が多く出ている状況は今年も続くことを示しています。つまりさらに失職者が出る可能性があるわけです。
また予防接種キャンペーンの展開時には、医療関係業界で人手が必要となるのは避けられません。人材仲介役のベイリーさんによると、現在キープ・ニュージーランド・ワーキングの資金不足が問題化しているそうです。コロナが続く限り、この優れたタレント・ポータルの存続も望まれるところです。
クローディアー 真理