また、求職者と採用する企業を結び付けるのに、通常の就職あっせん方法をとった場合は厳密な審査を行う必要があり、時間がかかります。しかし、キープ・ニュージーランド・ワーキングを利用すれば、簡便に済むのです。

なぜならキープ・ニュージーランド・ワーキングに人材を提供・登録する企業は雇用基準が高いのが特徴。そのため、人材を受け入れる企業は新たに入念な審査をする必要なしに、優秀な再就職者を迎えることができるのです。

優秀ながら、近々解雇の予定がある人材を有効に活用

もう1つ、ユニークといえるのは、人材を「提供」する企業が就職あっせんサービスに関わっている点です。通常の就職あっせんサービスであれば、求職者と採用する企業が存在するだけですが、キープ・ニュージーランド・ワーキングは違います。

人材を提供する企業というのは、要するに余剰人員の解雇を予定している企業を指しています。解雇して「ハイ、さようなら」ではなく、元従業員がほかの仕事に就けるようサポートしようというのです。

人材を提供する企業は1500NZドル(約11万3000円)を単発で、採用する企業は毎月1500NZドル(約11万3000円)を支払い、キープ・ニュージーランド・ワーキングのサービスを利用します。

驚かされるのは、人材を提供した企業が経済的に持ち直した場合は、その元従業員を呼び戻すことも可能なのだそうです。本人が望めば、再就職先で継続して働くこともできますし、もともと勤めていた企業に戻ることもできるというわけです。最終的な判断は本人に任されています。