コロナ失業者が迅速に再就職できる人材あっせんシステムを作った国

キープ・ニュージーランド・ワーキングとは?

一般的に人材募集を行う時、できるだけ早く優秀な適任者を雇いたいと思うのは、企業の人事部なら国に関わらず考えることなのではないでしょうか。一方、求職者も同じです。早く失職状態を脱して再び仕事に就き、収入を得たいと思うのは当然でしょう。コロナ禍であればなおのことです。

ニュージーランドでは社会開発省が中心になり、昨年3月26日に全国がロックダウンになる前から徐々に増加しつつあったコロナ失業者への対応策を迅速に計画・実施し始めました。そんな対応策のうちの1つ、オンライン人材募集ツール「キープ・ニュージーランド・ワーキング」は非常に有用と熱い視線を浴びています。

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従業員を解雇せざるをえない企業と人手不足の業界が混在

国内でコロナの経済的打撃を最も顕著に受けたのが、従来経済に大きく貢献してきた観光業界です。実際、航空やホスピタリティ、宿泊施設、娯楽産業では、多くの従業員が解雇されています。

その一方で医療、高齢者ケア、食料品、サプライチェーンなどに関連する企業は、現在人手不足に悩んでいます。そもそも医療、高齢者ケア分野では今までも慢性的に働き手が足りませんでした。

また、食料品、サプライチェーンでは、コロナ禍で以前のようにスムーズに業務を行えなくなっているのだそうです。これらの業界では経験豊富な従業員の確保は必須であり、需要は高まっています。

タイムリーに生まれたオンライン人材あっせんツール

ロックダウン前から計画されていた「キープ・ニュージーランド・ワーキング」がお目見えしたのは4月28日で、まさにロックダウンの真っただ中。この時期コロナは急速に世界に広まり、感染者が急速に増えていきました。加えてコロナの影響を受け、経営状態が悪化し、従業員に給料を払えなくなる企業が目立ったころでもあります。

タイムリーに産声を上げた「キープ・ニュージーランド・ワーキング」は、多様な職種の人材が一カ所に集まる「タレント・ポータル」ともいえます。開発の目的は、その名の通り、失職者を積極的に支援し、迅速に再就職を実現させ、働き続けてもらうことにあります。

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執筆者

1998年よりニュージーランド在住。東京での編集者としての経験を生かし、仲間と各種メディアを扱う会社を創設、編集長を務める。2002年に独立し、本格的に執筆活動を開始する。ニュージーランド航空やニュージーランド観光局の発行物やウェブサイトを手始めに、国内および他の英語圏の国々における環境、ビジネス、子育て/教育、文化、テクノロジーなどの分野について、多岐にわたる媒体に寄稿。海外在住日本人ジャーナリスト集団「Global Press」所属。共著書:『コロナ対策 各国リーダーたちの通信簿』(光文社新書)