ほとんどの仕事はオンラインで完結する
それまでは「リアルでやることに意義がある」「対面でしかできない」と思われていた仕事も、いざオンラインに移行してみると、問題なく完結することは少なくありません。
筆者は企業や公益法人などから登壇依頼を頂いて講演をしています。地方在住ですから、講演依頼があれば飛行機で上京して登壇していました。昨年はある団体主催からご依頼頂いてセミナー会場へ赴いて登壇する予定でしたが、COVID-19感染拡大で延期になり、2021年開催で改めてお声がかかりましたが「オンラインで」という話になりました。あちこちでセミナーがオンラインで実践されているので、その流れに乗った形になるのでしょう。実際、講演もオンラインでやることに大きな障害はないのです。
また、テレビ出演などもリモート化の波が押し寄せています。筆者はフルーツビジネスを経営しており、その関係で時々テレビやラジオの取材を頂いてきました。従来はテレビ番組の出演は、テレビ局へいくか、現地取材に応じていました。いずれも時間も労力も大変なもので、過去に現地取材に応じた際は、東京から来たリポーターの空港への送迎や打ち合わせなど、数分間の動画を撮るためにほぼ丸一日かかるという具合でした。
しかし、昨年に2つのテレビ番組で出演をした時は、いずれもリモートでZOOMで出演しました。当初は「カメラマンが目の前にいなくて大丈夫だろうか」と心配していましたが、特に大きなトラブルはなく放送されてホッと胸をなでおろしました。テレビ出演すらも、リモートの時代になっていったのです。
また、過去3冊の書籍の商業出版もすべてオンラインだけで完結しましたし、ビジネス雑誌やネット記事の原稿もすべてネット上のやり取りだけで済んでいます。香港や台湾、アメリカなど海外の企業から仕事を請けることもありますが、いずれもクラウドだけで済んでいます。
「リアルでなければできない」と思い込んでいた仕事も、「前例がなかった」というだけに過ぎず、実際にやってみると何の支障もなくオンラインで完結する例は少なくないのです。企業におけるDX化の遅れは経営者のIT勉強不足や思考停止が本質的理由にあると考えています。
高級フルーツギフトショップ「水菓子 肥後庵」代表 黒坂 岳央