定年を迎え、悠々自適なセカンドライフに入るであろう70代。しかし、近年では70代でもまだまだ現役で働く人が少なくありません。体力的な余裕がある・働くことが好きという人はもちろん、ひっ迫する老後資金にやむを得ず働くことを選んだ人もいるかもしれません。

そんな現代の70代の貯蓄は、一体どのくらいあるのでしょうか。これから定年を迎えるという世帯、老後はまだまだと考えがちな若い世帯も知っておきたい、老後の貯蓄事情について考えてみました。

70代、本当の貯蓄額はいくら?

将来の年金受給額や老後資金に対する不安の声も多く聞かれる昨今。定年を迎えた70代世帯、悠々自適なセカンドライフを送っている人もいれば、自身の健康や介護問題を含む金銭的な悩みを抱えている人も少なくないでしょう。

しかし若い世代にとって、現代の70代は十分な年金を受け取り、お金にも余裕があるイメージがあるかもしれません。そこでまず、金融広報委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和元年)」内の「金融資産保有額(金融資産を保有していない世帯を含む)」より、70代のリアルな貯蓄額を確認してみます。

【70代以上】金融資産保有額(金融資産を保有していない世帯を含む)

平均貯蓄額:1,314万円
中央値:460万円

  • 金融資産非保有世帯:31.1%
  • 100万円未満:3.4%
  • 100~400万円未満:10.0%
  • 400~700万円未満:8.1%
  • 700~1,000万円未満:6.4%
  • 1,000~3,000万円未満:22.6%
  • 3,000万円以上:11.1%

中央値とはデータを並べた際に中央にくる値を示し、平均値と比べるとより実感に近い数字であるといわれています。平均値は1,314万円ですが、中央値をみると460万円と少々心もとない額であることが分かります。金融資産の保有率でみてみると、1,000万円以上が約2割、さらに3,000万円以上保有している層が約1割いる一方、金融資産非保有世帯も約3割存在し、世帯によって経済的に大きな差がある現実が垣間見えます。