定年後に考えられる収入と支出
生命保険文化センターが令和元年12月に発行した「生活保障に関する調査」によると、想定される将来のライフイベントのなかでも「最も重要なライフイベント」として「老後生活の充実」を上げた人が最も多かったそうです。次いで「子どもの教育」「就労・再就職・転職・独立開業」「趣味の充実」と続きますが、やはり多くの人が老後に強い関心を持っていることが分かります。しかし、その最も重要なライフイベントに対する経済的準備状況を尋ねると、「準備できていない」と答えたのは55.6%と半数を超しました。
定年後に考えられる収入として、まずは「年金」があげられます。しかし、年金だけで生活のすべてをまかなえるかは、加入している年金制度や期間などによって個人差が大きいのが現状です。また、定年後には自身の通院や入院、介護などによる出費が増えることも想定されます。同調査によると、過去5年間の入院経験は年齢が上がるほど高くなり、入院の平均日数は15.7日、1日あたりの自己負担額は平均で23,300円。こちらも年齢が上がるにつれて入院日数が伸びているのです。
企業年金や退職金といったある程度の収入が見込めない場合、やはりしっかりと貯蓄をして、老後に向けた資金を準備しておく必要があるといえるでしょう。