近年、社会問題の1つとなっている「高齢ドライバー」による事故。

2019年の4月に起きた「東池袋自動車暴走死傷事故」は、みなさんの記憶にも新しいのではないでしょうか。

2021年に入ってからも、広島市で高齢ドライバーの逆走が目撃されるなど、大きな問題となっています。

そこで、今回は「高齢ドライバー」について、現状や事故発生状況のデータをもとに、背景や対策についてみていきましょう。ご家族にシニアドライバーがいらっしゃる方は、ぜひご参考になさっていただければと思います。

高齢者の死亡事故件数は高止まり

さいしょに、警察庁が公表した「令和2年(2020年)中の交通事故死者について」のデータを見ていきます。

高齢者(65歳以上>死者数の推移

  • 2018年…全年齢:3,532人、高齢者:1,966人(55.7%)
  • 2019年…全年齢:3,215人、高齢者:1,782人(55.4%)
  • 2020年…全年齢:2,839人、高齢者:1,596人(56.2%)

※( )内は高齢者構成率

事故による死者数推移をみると、過去3年間のいずれも、事故死した半数(5割)以上を、65歳以上の高齢者が占めていることがわかります。

2020年に関しては、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大による外出自粛などの影響もあり、事故死した人の数は前年に比べ減っています。とはいえ、高齢者構成率は過去10年のうち、最も高い結果となりました。