運転免許保有者の高齢化

70歳以上の運転免許保有者は、2019年時点で1,195万人にも及び、運転免許保有者の14.5%を占めています。

75歳以上に着目すると、令和元年の75歳以上及び80歳以上の運転免許保有者は、平成21年と比較すると、どちらも約2倍に増えていることがわかりました。

今後、高齢者の増加に伴い、さらに増え続けることが予想されます。

高齢者が事故を起こす原因(背景)

判断力や認知機能の低下

年を重ねると、判断力や認知機能は自然と衰えていきます。

日常生活にはさほど影響が出なくても、運転となると話は別です。

運転は、信号や歩行者、前方の車、対向車、道路標識など、さまざまなことに注意を払わなくてはならず、とっさの判断力や対応力が必要となります。

そのため、わずかな判断力や認知機能の低下でも、道路を逆走してしまう、暴走してしまうなど、命取りとなることがあるのです。

筋力等の低下

高齢になり、下肢の筋力が衰えれば、ブレーキを踏む動作などは遅くなります。

「危ない!」と思っても、足が思うように動かず、ブレーキを踏むタイミングが遅くなれば、大きな事故につながってしまうでしょう。

視覚機能等の低下

視覚から入る情報は、運転をするうえで欠かせないものです。

しかし、視力の低下や白内障などで、信号の色を判断するのが遅れる、歩行者を認識するまで時間がかかるとなれば、危険が伴います。

また、立体的にものを捉えることや遠近感なども、右折時などにはとくに必要となるため、視覚機能の低下は、事故を招く大きな要因といえるでしょう。