事故発生状況のリアルデータ
ここからは、内閣府の「令和2年(2020年)版交通安全白書」をもとに、高齢者による事故が、どのような状況で発生しているのかを見ていきましょう。
75歳以上は車両相互、75歳未満は人対車両の事故が多い(2019年)
<75歳以上>
1位…車両相互:44%(出会い頭:17%、正面衝突:15%など)
2位…車両単独:37%(工作物衝突:19%、路外逸脱:14%など)
3位…人対車両:18%(横断中:12%など)
<75歳未満>
1位…人対車両:39%(横断中:26%など)
2位…車両相互:37%(出会い頭:11%、正面衝突:10%など)
3位…車両単独:23%(工作物衝突:16%、路外逸脱:4%など)
死亡事故の類型比較をみると、年齢によって事故発生の状況に違いがあることがわかります。
75歳未満は、人対車両の事故が最も多いのに対し、75歳以上では、車両相互の事故が4割以上となりました。
また、75歳以上では車両単独の事故も多く、工作物への衝突や路外逸脱など、判断力や感覚機能の低下などが事故を招いているといえるでしょう。
死亡事故の人的要因は操作不通・安全不確認など
死亡事故の人的要因をみると、75歳以上では「操作不通」(ハンドルの操作不通:13.7%、ブレーキとアクセルの踏み間違い:7.0%など)が28%と、最も多い要因でした。
一方、75歳未満では、安全不確認が25%と最も多い結果となり、高齢者は、注意力の低下や操作の間違いなどにより、事故を起こしている現状が明らかになりました。