60代以降も、現役世代顔負けの活躍をされる人が増えています。

この春「高年齢者雇用安定法」の一部が改正・施行され、「70歳までの就業機会を確保すること」が事業主に努力義務として課されるようになります。

長く働くことに不安や期待を感じながらも「老後資金を少しでも多く確保したい」という部分は、多くの人に共通する願いかもしれませんね。

そんなわけで、今回は多くのサラリーマンが定年を迎える「60代」の預貯金の事情を深掘りしていきます。

「60代」の貯蓄事情

金融広報中央委員会が公表している「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和元年)」のクロス集計結果によると、60代の調査世帯のうち、金融資産保有世帯と保有していない世帯の割合は下記のとおりとなっています。

  • 金融資産を保有している…76.4%
  • 金融資産を保有していない…23.6%

備えあれば憂いなし。預貯金があるとないとでは、万が一の事態が起こった時の安心感が違うでしょう。とはいえ、全体の25%弱の世帯に、預貯金がないという現実があります。

60代が目指す「貯蓄残高」ってどのくらい?

では、60代の人って、預貯金をどのくらい持っておきたいと考えているのでしょうか。下記のデータをご覧ください。

60代の金融資産目標残高

  • 200万円未満…2.7%
  • 200~300万円未満…2.0%
  • 300~500万円未満…3.0%
  • 500~700万円未満…7.2%
  • 700~1,000万円未満…1.0%
  • 1,000~1,500万円未満…14.0%
  • 1,500~2,000万円未満…2.4%
  • 2,000~3,000万円未満…15.5%
  • 3,000~5,000万円未満…9.9%
  • 5,000~7,000万円未満…5.9%
  • 7000万円以上…6.0%
  • 無回答…30.2%

同調査では、60代の目標残高の平均値は2,634万円、中央値が2,000万円となっています。結構目標高め!と思われた方もいらっしゃるでしょう。

かつて金融庁のレポートに端を発した「老後資金2000万円問題」の影響なのか、「2000万円くらいは確保しておきたい」と意識している人が多いのかもしれませんね。

そして、全体の約30%が2000万円以上は持っていたいと考えていて、さらには3,000万円以上を目標とする人も全体の約22%となっています。

人生100年時代。「長い老後生活を安心して過ごしたい」と考えた場合、「公的年金以外+2,000万円」では足りないという意識を持つ人が多いのかもしれませんね。