医療費抑制の政策のもとで低成長モードに

久光製薬は、病院で処方される「医療用医薬品」と市販の「一般用医薬品」を製造しており、2020年2月期末の時点では売上高の58%を医療用がを占めています。

医療用・一般用ともに貼り薬(経皮吸収型製剤含む)が主で、一般用の鎮痛消炎剤としては「サロンパス」「サロンシップ」「フェイタス」などが知られています。

続いて近年の業績を、2018年2月期以降の3年間を追って見ていきましょう。

2018年2月期から2020年2月期までの業績は、売上高1485億円⇒1434億円⇒1410億円の減収続きで、利益面では営業利益が269億円⇒223億円⇒227億円、当期純利益は191億円⇒192億円⇒187億円と減益傾向にあります。

2019年2月期は、一般用が好調だったものの、医療用が国内・米国ともに不調だったため減収となりました。特に国内では薬価引き下げ・後発薬の導入推進など、医療費抑制を目的とした国の政策が影響した形です。減収の影響で営業利益は減益ですが、有価証券の売却や前期の減損損失の関係で純利益は横ばいにとどまりました。

翌2020年2月期も引き続き医療費抑制策の影響を受け続けて減収となり、純利益は減損損失や消費税増税と同時に行われた更なる薬価引き下げが影響し減益となりました。

コロナの影響を受け利益が半分以下に

今年1月に公表された2021年2月期 第3四半期の業績は、売上高808.2億円(前年同期比▲18.4%)、営業利益81.2億円(同▲55.9%)、四半期純利益57.2億円(同▲62.9%)と大幅な減収減益となりました。