「年収1000万円以上なのに貯蓄がない」という世帯も

先ほどの純貯蓄額だけ見ると、「やはり年収1000万円世帯はたくさんの貯蓄がある」という印象を受けます。しかし、なかには年収1000万円であるにもかかわらず、貯蓄がない世帯も存在するようです。

ではここで、金融広報中央委員会による令和元年（2019年）の「家計の金融行動に関する世論調査（二人以上世帯調査」の結果をみてみましょう。金融資産を「非保有」または「100万円以下」と回答した世帯の割合は、以下の通りです。

年収1000万～1200万円未満世帯

  • 金融資産非保有…10.3％
  • 金融資産保有額　100万円未満…3.4％

年収1200万円以上世帯

  • 金融資産非保有…5.1％
  • 金融資産保有額　100万円未満…1.5％

意外にも、「年収1000万～1200万円未満世帯」の約10世帯に1世帯、「年収1200万円以上世帯」の約20世帯に1世帯は、金融資産を持っていないという結果に。金融資産が100万円未満のケースも、一定数存在しています。

平均の純貯蓄額だけみると「年収1000万円＝しっかり貯蓄できる」と捉えがちですが、貯蓄がない年収1000万円世帯も少なくないのが現状のようです。