年金を「84%増やす」裏ワザがあった!
しかし、この支給開始年齢は「最長70歳まで」遅らせることも可能です。(2021年2月現在)これを「繰り下げ受給」といい、年金を受け取る時期を遅らせるほど年金額がアップします。
そして、その増額率は生涯にわたって継続されることに。つまり、1941年(昭和16年)4月2日以降に生まれた人は、繰り下げ受給によって月単位で年金額をアップさせるができるのです。
増額率は、下記の計算式で求めることができます。
増額率=(65歳に達した月から繰り下げ申出月の前月までの月数)×0.007
では、その割合を具体的にみていきましょう。
繰下げ請求時の年齢と増額率(1941年4月2日以後に生まれた方)
- 66歳0カ月~66歳11カ月・・・8.4~16.1%
- 67歳0カ月~67歳11カ月・・・16.8%~24.5%
- 68歳0カ月~68歳11カ月・・25.2%~32.9%
- 69歳0カ月~69歳11カ月・・・33.6%~41.3
- 70歳0カ月・・・42.0%
2020年4月時点での老齢基礎年金の受給額は年間78万1,700円※(満額)です。仮に70歳まで受給開始を遅らせた場合には、受け取る年金額は年間32万8,314円(78万1,700円×42.0%)増える計算になります。
※20歳から60歳になるまで、40年間全期間保険料を納めた人のケース
また、2020年5月に成立した「年金制度の機能強化のための国民年金法等の一部を改正する法律」をうけて、2022年4月以降は75歳まで受給繰り下げが可能となります。これを先の計算式にあてはめると、最大で84%まで年金額が増えるという計算になるわけです。
参考
- 日本年金機構「老齢基礎年金の繰下げ受給」
- 厚生労働省「年金制度改正法(令和2年法律第40号)が成立しました」