とある会社に勤務する中堅社員の主人公。休み明けに出社したところ、係長から「おい、休み前に頼んでおいたあれは、できたか?」と尋ねられました。…が、主人公には、休み前に係長に仕事を頼まれた記憶がありません。

思わず「え?あれってなんですか?」と聞き返したところ、明らかに機嫌が悪くなる係長。「何?覚えていないのか?」と叫んだかと思うと、「まったく休み明けだからって寝ぼけてるんじゃないぞ!これだから全く!」と言いたい放題。

「やっぱり記憶にないんだけど…。」と、主人公が心の中でつぶやくと同時に、頭の中で、いつものごとく妄想スイッチが入ります…。

「おい、これやっといてくれ!」と誰もいない空間に向かって仕事の指示を出す係長。そしてしばらくすると、今度は「おい、返事くらいしたらどうだ?」と、再び同じ方向を向いて、今度は叱責をはじめます。「いったい誰と話しているんだ…?」と不思議で仕方がない主人公。すると、後輩の新人女子が真っ青な顔をして「先輩、これ見てくださいよ。」と、スマホを差し出してきました。するとそこには、係長のそばにたたずむ主人公そっくりの幽霊の姿がうつっているではないですか…。

生霊?ドッペルゲンガー?なぜ俺そっくり?もしや上司が嫌すぎて、分身を作り出す能力に目覚めてしまった…?想像の中で様々な可能性を模索しつつも、いずれにしても「それは怖すぎる。」と、思わず自分の妄想に突っ込んでしまう主人公。(妄想終了)