新型コロナの流行で一斉休校になったり、テレワークが推奨されるなど、子育てをしながら働く家族が戸惑うことの多かった昨年。これまでも「終身雇用や年功序列は崩壊した」と言われてきましたが、特にコロナ禍がもたらした仕事観の変化は大きいのではないでしょうか。

今回は、子育てしながら働く35歳の女性4人のエピソードをご紹介します。業種や雇用形態もバラバラな彼女たちの働き方を通して、子育て世代の働き方、ひいては自分が求める生き方について考えてみましょう。

ケース1. 目指すは定年退職! 子育てにメリットがあった公務員

新卒のときから公立保育園で働くHさんは、2度の産休・育休を経て、現在フルタイムの保育士として働いています。子育てしながらのフルタイム勤務は決して楽ではないと語るHさんですが、何がモチベーションなのかを聞くと「安定性!」と即答してくれました。

「ハードなわりに給料が安い保育士の仕事ですが、私は公務員なので、一般企業よりも育休を長くとれたし、子供も近くの公立保育園に待機なしで預けられました。きっちりシフト制だし、先生不足で休みが取れないなんてこともありません。月々の給料はそんなに多くないけど、安定性や働きやすさを加味したら満足できます。同じ市内の保育園へ転勤があるのはちょっと大変ですけど、このまま定年まで働くつもりです」

昨年、念願だったマイホームを夫とペアローンで購入したというHさん。「いよいよ退路が断たれた感はあるけど、もともと辞めるつもりはなかったし、買いたい物件が買えたのでよかった!」という言葉に、正規雇用という働き方の強みが見てとれました。

ケース2. 夫の転勤でパート勤務に変わるも、経験値では負けない

Kさんは、金融機関でパートとして働く2児のママです。新卒で地元の金融機関A社に入社後、夫の転勤を機に退職。転勤先では金融機関B社でパートとして働いていました。夫の転職で地元にUターンし、再びA社にパートとして復帰したそうです。