年間継続受給者は約376万人
2019年4月から2020年3月の各サービス提供月について、1年間継続して、介護予防または介護サービスを受給した人は、約376万人でした。
受給者数をみても、半数以上が年間継続受給者であることがわかります。
状態の変化について
要介護状態別の変化割合をみると、要支援1~要介護5までのすべての段階において、「(状態)維持」が70%以上となっています。
一方で、要支援1~要介護3では、20%前後「重度化」した人もいました。
また、「軽度化」したのは、要介護4の12.9%が最も多く、状態改善をする人は決して多くないといえるでしょう。
さいごに
2年連続で、介護給付費が10兆円を超え、本格的な「介護費10兆円時代」が到来しました。
2042年まで、高齢人口は増加傾向であり、その後減少に転じるとみられています。そのため、今後20年ほどは、高齢者の増加に伴い、介護給付費も増えていく可能性が高いでしょう。
2019年に行われた消費増税、そしてコロナ禍の長期化も相まって、若い世代の負担がより一層増えることも懸念されます。
介護保険制度を維持していけるかどうか。
これは、超高齢化社会を迎えた日本にとって大きな課題といえるでしょう。また、若い世代にとってたいせつになるのは、健康面、そして貯蓄への意識を高め、個人レベルでの「備え」を始めておくことではないかと筆者は考えます。
参考資料
- 厚生労働省「令和元年度介護給付費等実態統計の概況」
鈴木 咲季