2020年11月18日に厚生労働省が発表した「令和元年(2019年)度介護給付費等実態統計の概況」によると、2019年度の介護給付費が、10兆円を超えていることがわかりました。
初めて介護給付費が10兆円を超えたのは2018年度のことでしたが、今回、2年連続での10兆円オーバーとなったのです。
本記事では、介護給付費の内訳や受給者数がどのように変化しているのか、受給者1人当たりの費用額はどれくらいなのか、などを解説しながら、この問題の背景を探っていきます。
2年連続の「10兆円」超え
介護保険制度は2000年にスタートしました。まずは、その翌年である2001年と、最近2年分の給付費の内訳を比較していきましょう。
介護給付費の内訳
・2001年度…4兆3782億円(介護保険制度がスタートした翌年)
・2018年度…10兆1536億円
(介護予防サービス:2429億円+介護サービス:9兆9107億円)
・2019年度…10兆5095億円
(介護予防サービス:2638億円+介護サービス:10兆2457億円)
2018年度と2019年度だけを比較しても、3559億円も増加していることがわかります。
内訳詳細をみると、介護予防サービスよりも、介護サービスにかかる費用の方が、圧倒的に多いといえるでしょう。2019年度にいたっては、介護サービス費だけで、10兆円を超えています。
また、介護保険制度がスタートした翌年の介護給付費と比較すると、約20年で、費用が倍以上に膨れ上がっていることもわかりました。