私は大手証券会社と不動産投資会社で、10年以上、個人のお客様の資産運用に関わってきました。職業、年齢、年収が異なる、様々なお客様とお話しをする中で、お客様から学ぶことも多くありました。

そのひとつが、世の中のおサイフ事情です。新卒で証券会社に入社したての頃は、年収600万円と聞くと、「年収が高くて、家計に余裕がある人」というイメージがありました。

しかし、実際にその年収のお客様と話しをすると、私の予想とは異なる反応が返ってきました。

「住宅ローンの返済が大変」、「子供の塾や習い事にお金がかかる」などなど。貯金に苦戦している方もいらっしゃいました。

不動産投資会社を経て、私は今、再び資産運用のコンサルティングを行っています。今回は、国税庁や総務省の最新データより、年収600万円世帯の貯金はいくらなのか、お伝えしていきたいと思います。

次章より、さっそく見ていきましょう。

年収600万円の割合は

まずは、国税庁の令和元年分「民間給与実態統計調査」より、給与所得者の各年収帯の分布を見ていきます。

男性(令和元年分)

  • 100万円以下 1152千人 3.8%
  • 100万円超 200万円以下 2174千人 7.2%
  • 200万円超 300万円以下 3314千人 10.9%
  • 300万円超 400万円以下 5017千人 16.6%
  • 400万円超 500万円以下 5319千人 17.5%
  • 500万円超 600万円以下 4096千人 13.5%
  • 600万円超 700万円以下 2736千人 9.0%
  • 700万円超 800万円以下 1949千人 6.4%
  • 800万円超 900万円以下 1365千人 4.5%
  • 900万円超 1000万円以下 908千人 3.0%
  • 1000万円超 1500万円以下 1661千人 5.5%
  • 1500万円超 2000万円以下 383千人 1.3%
  • 2000万円超 2500万円以下 112千人 0.4%
  • 2500万円超        136千人 0.4%

女性(令和元年分)

  • 100万円以下 3416千人 15.4%
  • 100万円超 200万円以下 5258千人 23.7%
  • 200万円超 300万円以下 4523千人 20.3%
  • 300万円超 400万円以下 3890千人 17.5%
  • 400万円超 500万円以下 2333千人 10.5%
  • 500万円超 600万円以下 1232千人 5.5%
  • 600万円超 700万円以下 660千人 3.0%
  • 700万円超 800万円以下 366千人 1.6%
  • 800万円超 900万円以下 177千人 0.8%
  • 900万円超 1000万円以下 103千人 0.5%
  • 1000万円超 1500万円以下 189千人 0.8%
  • 1500万円超 2000万円以下 54千人 0.2%
  • 2000万円超 2500万円以下 12千人 0.1%
  • 2500万円超        15千人 0.1%