親などの介護をしている「女性」のみなさん。
「女の人なんだから介護ができて当たり前」「育児経験者なら介護もできるはず」
周りからこんな風に言われて、傷ついたりイラッとしたりした経験がある人もいるのではないでしょうか。
「女性介護者」は、介護を含めた家のことをなんでもできると思われがちです。しかし、そんな世間の固定観念が、介護を担う女性たちを追い込んでしまうことがあります。
そこで今回は、「女性介護者」にフォーカスをあて、「女性」が介護で追い込まれないコツや、ご自身の心身を守るために必要となる考え方を紹介していきます。
いま、親などの介護をしている「女性」や、周囲に「介護を行う女性」がいるという人は、ぜひ参考にしてみてください。
同居の主な介護者「6割以上が女性」
厚生労働省がおこなった、2019年の「国民生活基礎調査」によると、同居の主な介護者の性別割合は、「男」が35.0%、「女」が65.0%でした。
男性よりも、女性介護者のほうが圧倒的に多く存在し、介護を担っていることがわかります。
「女性は介護ができて当然だ」と思われがち
周りの人や男性は、「女性だから介護ができて当たり前」だと考えがちです。
これは、女性が育児をメインでおこなうことが多く、家事や育児と介護を、同じだと捉えている人が多いからだと考えられます。
そもそも育児は、「女性だからできる」のではなく「女性が、努力して経験を積んだからこそ徐々にできるようになっていく」ものなのです。
そのうえ、介護は、家事や育児とはまったく異なります。
女性介護者が、苦労して試行錯誤しながら介護をしても、周りは「頑張っている」ではなく「当然のことだ」とみなすのです。できないことを批判することさえあるため、女性介護者は心身ともに追い込まれてしまいます。
そこで、次では、介護を担う女性たちが、自身の心を守るために、ぜひ知っておいていただきたいことをお話していきます。