コロナ禍でエンタメに込められた想い

2020年、本来であれば開催されていたはずの東京オリンピックが延期となり、また国際的な往来が難しくなったことで、仕事に大きな変化が出たり、あるいは道を絶たれた人もいたはずです。さらに医療従事者は、COVID-19が世界で広まりを見せてからこの1年ほど、まったく休む間もなく、感染者の回復のために、ウイルスの解明のために働いている人ばかりでしょう。

休みなく働いている人がいるなかで、大きく沈み込んだ人がいた1年のなかで、連続ドラマをはじめとするエンタメが今の社会において必要であるのか、作品を作る側の人も、伝える人も、見る人も、それぞれの立場から考えさせられる1年でもあったでしょう。

それぞれ違う設定、違う角度で描いた「恋×仕事」をテーマにした連ドラ3作品においても、コロナ禍の今の状況に対して強いメッセージを込めたのは、人間関係が幸せを呼び寄せるように、対面での関わりに幸せを感じるように、また、甘いものが人を幸せにするように、やはりエンタメも人の心を動かし、幸せを気づかせるものだからではないでしょうか。必ず誰かに届くという確かな期待と、祈りを込めた作品ばかりでした。新しい1年が、また新たなエンタメとともに前向きな気持ちで迎えられると良いですね。

藤枝 あおい