国民年金はいくらもらえるのか 

さて、先ほど国民年金は収入額に関係なく納付月数によりその受給額が決まると述べましたが、一体どのくらい貰えるのでしょうか。日本年金機構「令和2年4月分からの年金額等について」によると、令和2年度の場合、40年間滞りなく保険料を納付していると65歳から満額65,141円の年金を受け取ることができます。しかし支払いをしていない時期が少しでもあると、この金額から減額されてしまうのです。厚生労働省「厚生年金保険・国民年金事業統計 平成30年度 」によると、国民年金の平均受給月額は約5万6,000円であるそうです。

また、国民年金は現在原則として65歳からの受け取りになりますが、希望をすれば60歳~65歳で受け取ることも、また66歳~70歳で受け取ることも可能です。前者は繰り上げ受給といい、繰り上げ受給の請求をした時点で年金が減額されてしまいます。逆に後者は繰り下げ受給といい、65歳から何ヶ月繰り下げるかによって年金が増額されるのです。その増加率は、現行制度では基本的に1ヶ月遅らせるごとに0.7%の増額となっています。例えば70歳まで繰り下げれば42%の増額となり、5万円の受給額だった人は約7万円の受給額へとアップさせることができるのです。