老後の収入源として重要となってくる年金。その年金には、国民年金と厚生年金の二種類が存在していることは皆さんご存知かと思います。しかしながら、それぞれどのような違いがあるのか、また月々に貰える年金額の違いはどのくらいなのか気になりますよね。

金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和元年)」を見てみると、年金や保険が十分ではないからという理由から老後の生活を心配している世帯は73.3%もいるということが分かっています。老後資金の早めの準備のためにも、自分と配偶者の年金額がおおよそどれくらいになるのかしっかりとみていきましょう。

厚生年金と国民年金の違い 

まず、厚生年金と国民年金の違いについて説明します。日本の公的年金は「2階建て」という言葉で表現されることが多く、1階部分は日本に住んでいる20歳以上60歳未満のすべての人が加入する「国民年金」、2階部分は会社員・公務員などが加入する「厚生年金」です。

まず1階部分の国民年金についてですが、会社員、自営業者、無職の人、大学生、専業主婦(夫)など、基本的には20歳以上の全ての国民が加入しており、一律同じ額の保険料を支払っています。ただし支払いが難しい人には支払い猶予などの措置がとられることや、専業主婦(夫)のように厚生年金に加入している第二号被保険者に扶養されている人(国民年金第三号披保険者)には支払い義務がないなどと一部例外も存在します。国民年金の支給額は在職時の収入額に関係なく納付月数により金額が決まる形となります。

次に2階部分である厚生年金は、上記の中でも会社員・公務員の人など一部の人がプラスで加入しているものです。この厚生年金の受給金額は、収入額や納付月数などにより変動するため、基本的には長く保険料を納め、また収入が高い人ほど多くの厚生年金を受給する形となります。また、厚生年金の保険料は会社と従業員とで半分ずつ負担して支払うなど、保険料の支払い方も国民年金とは異なります。