このように、自分の首を絞めるような節約は、かえってムダになったりストレスを抱える原因にもなるということを頭の片隅に入れておいてください。

月数千円を浮かすために時間と労力を消耗する節約

あまり効果がない割に、労力と時間ばかりかかるのは効率が悪いですよね。それは節約も同じ。たとえば、水道光熱費の節約です。

30代女性のBさんは、実家の水道光熱費の節約についてうるさく言う母にうんざりしていたと言います。シャワーを使いすぎだと怒られたり、待機電力が無駄だと言われてあらゆる家電製品のコンセントを毎晩抜かれたりするのだそう。

ただ、水道光熱費の節約は大変な割に効果が出にくいものです。1人暮らしの場合、水道代は月に2,000~3,000円、電気代は4,000~5,000円、ガス代は3,000~4,000円程度でしょう。そこからどんなに削減できても、全部で月数千円といったところです。

家族の場合も同様に、どんなに頑張っても月1万~2万の節約は相当難しいでしょう。であれば、もっと効果が出やすい別の節約に励むほうが賢明です。

他人に負担を強いる節約

最後は他人に負担を強いる節約です。30代男性のCさんは、妻と2人暮らしですが共働きのため外食や中食が多く、食費の削減ができないかと考えて妻に週4日以上は自炊するよう伝えました。

すると妻から大反発を食らったと言います。客観的にみれば「それは妻が怒って当然だろう」と思えるようなことでも、当事者になってみると「節約のために自炊を勧めただけなのに、なぜ怒られたかわからない」と言うのです。

家庭がある場合、節約というのは究極的には家族みんなの幸せのためにあるべきものです。節約して可処分所得が増えて家族にもっといいモノを買ってあげられるようになるとか、子どもの学費に充てられるとか、そういう最終的な目標のために節約があるはずです。それなのに、家族の誰かに負担を強いるような節約は本末転倒でしょう。