お金格差、貯金がない人がどのくらいか

前項で平均値と中央値について説明しましたが、平均値を中央値から大きく引きずるような富裕層と呼ばれる方もいらっしゃる一方で、その逆の方がいらっしゃることにも焦点を当てたいと思います。

金融広報中央委員会の同調査によると、各世代に共通して金融資産額には格差があることも分かりました。以下の数字は預貯金を含む金融商品を保有していないと答えた方の割合です。

20代

  • 二人以上世帯・・・22.9%
  • 単身者世帯・・・45.2%

30代

  • 二人以上世帯・・・15.8%
  • 単身者世帯・・・36.5%

40代

  • 二人以上世帯18.7%
  • 単身者世帯・・・40.5%

50代

  • 二人以上世帯・・・21.8%
  • 単身者世帯・・・37.2%

60代

  • 二人以上世帯23.7%
  • 単身者世帯・・・29.8%

世代共通の平均では、二人以上世帯では23.6%、単身世帯では38%となり驚くことに単身世帯の約半数近くが金融資産を保有していないという結果になりました。


この調査で、金融資産を保有していないと答えた方すべてが生活に困窮しているとは言えませんが、不測の事態や将来のためにある程度の金融資産は確保しておく方が好ましいでしょう。

今年中に知っておきたいお金の増やし方

ファイナンシャルアドバイザーとしてご相談を伺っていると、お客様がよくおっしゃるのは「資産運用したいけど、何から始めていいのか分からない」ということです。

これから資産形成を考える方への大原則として「長期・積立・分散」の有効性をお伝えしたいと思います。

金融審議会の「高齢社会における資産形成・管理」によると、長期・積立・分散投資による効果は、積立が長期であればあるほど、投資先を分散すればするほど、収益がバラつきにくくなる特徴があるとしています。

さらに1985年以降の各年に、毎月同額ずつ国内外の株式・債券に積立・分散投資したと仮定し、各年の買い付け後、保有期間が経過した時点での時価をもとにして運用結果を算出すると、保有期間が5年ではマイナスリターンも発生しますが、保有期間が 20年になるとプラスリターンに収斂し、さらにそのバラつきも小さくなることがわかりました。

これらの例は、過去の実績に基づくものであり、将来の結果を約束するものではなく、想定外の損失が発生するリスクも存在することには注意する必要がありますが、長期・積立・分散投資がリスクをコントロールし、一定のリターンをもたらしやすい点で、多くの人にとって好ましい資産形成のやり方であると言えます。

20年以上の長期で運用を考え、少しでも早くから無理なく積み立て投資を始めることをおすすめします。