余談です。筆者は経済評論家の末席を汚す身ですが、いたずらに人々の不安を煽ることを潔しと考えていないため、本稿のように楽観的な原稿を書いています。拙稿が今ひとつ読者の関心を惹かない一因はそこにあるのかもしれませんが、仕方ありませんね(笑)。

既知の脅威へと変容中

時間の経過とともに、未知の感染症が次第に既知の感染症となりつつあります。治療に関しては様々な知見が蓄積されつつあるようで、致死率は各国とも大幅に低下しています。

予防についても、ワクチンが次々と開発されています。実用化された時に効果と副作用がどれくらいなのか、不安もありますが、効果が大きく副作用が小さいと期待しましょう。

一般人についても、全く未知の感染症というよりは、「手洗い、マスク、三密回避等々を心がければ、簡単には感染しないし、感染しても高齢者でなければ比較的症状は軽い」ということが知られてきました。

そうなると、これまで未知の恐怖に怯えて自粛していた人々が、少しずつ以前の活動を取り戻して行くと期待されます。

消費者は金を持っている

政府も、従来よりも感染者等が多いにもかかわらず、Go To トラベルキャンペーンを(一時的な中断はあるものの)続ける意向と伝えられています。これも人々の消費には大いにプラスでしょう。

政府の補助金の直接的な効果もあるでしょうが、何と言っても重要なのは、政府が旅行等に「お墨付き」を与えている、ということです。政府が補助金まで出して旅行に誘っているわけですから、「新型コロナを過度に怖がることはない」「自粛警察も静かになるはずだ」という安心感が得られるはずです。