消費者は金がないから消費をしない、というわけではありません。リーマン・ショック等々の不況時には、人々が所得が減って金がないから消費を我慢するのが普通ですが、今回は多くの消費者が金はあるのに新型コロナや自粛警察を怖がって消費を手控えているわけです。そこに政府のお墨付きが得られれば、きっと消費は徐々に戻ってくるはずです。

旅行等の需要が完全に元に戻ることは考えにくいでしょうが、一方で代替的な消費は増えるかもしれません。「金はあるし自粛疲れも溜まってきたので、高級食材で家飲みをしよう」、といった消費にも期待が持てるでしょう。

インバウンドはないがアウトバウンドもない

海外の感染状況が日本より遥かに深刻であることを考えると、外国人観光客については当分の間は望めないでしょう。ワクチンが効果を発揮するとしても、外国人観光客が戻るまでには相当長い時間がかかるはずです。

一時期「インバウンド」が話題になり、景気の起爆剤として大いに有望視されていたことを考えると、心配ではありますが、これについても過度の懸念は不要でしょう。

外国人観光客が日本に来ない一方で、日本人観光客が海外旅行に行かないわけですから、彼らは予算が余っているのみならず、楽しみを我慢した分だけ代わりの楽しみを欲しているはずです。彼らが国内で旅行に行ったり高級食材の家飲みを楽しんだり、消費を盛り上げてくれると期待しましょう。

需要回復まで旅館等を延命する必要

上記のように、国内旅行等(飲食店での飲食等を含む)は次第に回復してくると期待されますが、問題はそれまでの間に旅館等(飲食店等を含む)が倒産してしまう可能性があることです。