来年の景気は、人々の「コロナ慣れ」で順調に回復してゆくだろう、と筆者(塚崎公義)は考えています。

未知の脅威に身を縮めた今年の経済

今年の世界経済は、新型コロナの影響で深刻な打撃を受けました。欧米諸国では感染者数も死者数も非常に大きく、都市封鎖等も行われましたので、経済への大打撃は仕方のないことだったのでしょう。

日本では、欧米諸国に比べて感染者数も死者数も数十分の1であったにもかかわらず、経済への打撃は同程度に深刻なものとなりました。その理由を筆者なりに推測してみると、日本人の悲観的で慎重な性格が影響しているように思われます。

新型コロナを恐れて自粛をするなど慎重に行動した結果として、感染拡大は防ぐことができたけれども経済の落ち込みは防げなかった、ということですね。

マスコミや評論家たちが悲観的な話をして人々の不安を煽ったことも影響しているのでしょう。マスコミや評論家たちは、「大丈夫です」というより「心配です」という方が客が興味を示すため、そうした話をしがちです。

今回は、未知の感染症に関して人々の知識がないところに悲観的な話をされたため、必要以上に人々が不安になって行動を自粛した、ということなのでしょう。本来であれば、人々が「マスコミや評論家の話は悲観的なバイアスがかかっているから、話半分に聞こう」と考えれば良いのでしょうが、それは「言うは易く、行なうは難し」なのですね。