新年あけましておめでとうございます。今年、2021年の干支は辛丑(かのと・うし)ですね。
「辛」は草木が枯れ新しくなろうとしている状態、「丑」は種から芽が出ようとする状態という意味があるそうです。
日本も世界も疫災を乗り越え力強く芽吹く1年になってほしいところですが、実は新年というのはお金への関心が1年で1番高まる月だといわれています。
今年こそは資産運用を始めたいとお考えの方は、芽が出ようとする年とされる2021年を機に始めてみてはいかがでしょうか。
私は国内の大手生命保険会社の勤務経験を経て、フィナンシャルプランナーとして1000世帯以上のお客様のフィナンシャル・プランニングに携わってきました。
この経験から後半では初心者におすすめの資産運用法もご紹介したいと思います。
いま、資産運用が必要なワケ
長年貯金好きだった日本人に「資産運用」という言葉が広がっています。
なぜいま「貯金ではなく資産運用」なのか、私たちを取り巻く逆境から考えてみましょう。
超高金利時代から超低金利時代へ
バブル期の預金は超高金利で「銀行や郵便局に預けていればお金がどんどん増えた」ため、リスクを取って資産運用をする必要はなかったといえます。
定期預金が年利8%を超えていた頃と違い、今は10年で貯金がざっくり1.8倍になる時代ではありません。同じ考え方ではお金を増やすことはできないのです。
少子高齢化と年金不安
日本の年金制度は、今の現役世代から集めた年金保険料を今の年金受給世代に渡す賦課方式です。
少子高齢化でこのまま現役世帯が減少すると、現役期間の保険料や税の負担は大きく老後に自身が受け取る年金額は減っているという二重苦ともいえる状況ですが、2019年の出生率は過去最低を記録し4年連続減少の一途をたどっています。
物価の上昇
生活にまつわる色々な物の値段は上昇しており、バブル期のように物価と同じくらい給与や金利も上昇していけば問題ないのですが残念ながらそちらは停滞しています。
ちなみに私が大学受験をした十年程前は一校3万円の受験料でしたが、数年前に弟が受験した際は3万5000円程でした。
今後も今までと同じ金額で同じものやサービスは買えなくなるインフレのリスクがあるのです。
お金を増やすなら味方につけたい「時間と複利」
複利という言葉を耳にしたことはあるでしょうか。
「お金を増やす」ことを考えたときに必ずといっていいほど活用したいものなのですが、まずは簡単に複利の説明をしておきます。
複利とは、「利子にもまた利子がつく」ことです。
手元に100万円があり、その100万円を金利3%で1年間預金したとします。すると元金の100万円にたいして3%の利子が付き一年後には103万円になります。
では、この103万円、もう一年経つとどうなるでしょう。同じように3万円増えて合計106万円、ではないのです。
複利は利子にもまた利子が付くので、103万円に対して3%の利子が付き、106万900円になります。もう一年経つと106万900円に対して3%で109万2727円、このように年数が経つほど利子は大きくなっていきます。
2019年に老後2000万円問題が世間を騒がせましたが、仮に老後の備えとして30年間で2000万円を貯金で貯めるとした場合 、毎月約5.5万円を貯金に回し続けなければいけません。
そこで、この複利を活用して運用することで毎月2万円で同じ2000万円に近づくことができるのです。
例えば、40歳から月々2万円を20年間現金や預貯金で貯めていくと480万円です。
これを想定利回り6%で複利 運用した場合約911万円になり、同じ月2万円でも約430万円の差が出るのですが、目標の2000万円には届いていません。
さらに10年早く始める事ができた場合、月々2万円を30年貯めると720万円。同じく想定利回り6%で複利運用した場合には約1950万円となり、1240万円程の差になります。
税金や手数料は加味していませんが、これを見ていただくと分かる通り、お金を増やすためのコツはたった2つ、「時間と複利」です。
1年でも1カ月でも長く運用しているほど複利の効果は大きくなり、複利の効果が大きくなるほど私たちは助かるという事になります。
仮に5万円を貯金に回す余裕があり複利で運用した場合には、元金1800万円+利息約3097万円で合計4900万円程にもなりますから積極的に活用していきたいですね。
初心者におすすめの資産運用法
それでは、複利を使って資産運用を始めたいという方におすすめの方法をご紹介します。
1.投資信託
国の制度であるイデコやニーサ、つみたてニーサの普及により聞いたことがあるという方も増えていると思います。
投資信託とは 、簡単にいえば「投資家から集めたお金をひとつの大きな資金として、運用の専門家が株式や債券などに分散して投資・運用をする」金融商品です。
これまで投資というフレーズにはリスキーなイメージもあったかもしれませんが、コロナショック以降意識が代わり、若い年代の購入者も増えています。
もちろんリスクがないわけではありませんが、米国株式や新興国を含む世界株式といった成長する市場を対象にした投資信託を選ぶ事で運用成果を期待できる金融商品です。
投資信託のメリットは、少額から始められる事と個人では買えない銘柄や資産に投資ができる事です。
デメリットは元本割れのリスクがあることや手数料がかかることですが、20年以上の投資期間を取る事で複利の本領が発揮されてきますので長期で保有することを念頭に置いて選ぶのが良いでしょう。
2.変額保険
保険商品にも運用に重点を置いた商品があります。
通常、保険商品は債券で運用されているのですが、運用に投資信託を用いた商品で死亡保障や介護保障がついた保険金タイプのものと、個人年金タイプのものがあります。
ちなみにニーサは英国のISA制度をモデルとしており、日本(Nippon)版ISAという事でNISAという名前がついているのですが、金融大国英国で加入されている保険の約4割がこの変額保険です。
運用と保障の両方の側面があり、死亡保障が必要な方や介護が心配な方はこのような商品に入っておけば別で加入している掛け捨ての保障を減額することもできます。
ちなみに、通常の投資信託で運用した場合、運用益に対して20.315%の課税がされますが、介護保険金は非課税で受け取る事ができます。
3.外貨建て金融商品
外貨で運用する最大のメリットは日本より高い金利が得られることなのですが、先進国(特に欧州)の金利は日本と同程度の水準で各国が低金利に苦しんでいる状態ではあります。
コロナショック以降は米国の中央銀行にあたるFRBもゼロ金利政策等の金融緩和策を維持する方針で、日本で販売される外貨建て金融商品の料率改定が入ったりもしましたが、それでも預貯金に比べれば高い利率のものもあります。
仮に2%の運用だとしても、普通預金の2000倍の金利となっています。
今日本で出来る外貨建金融商品には 外貨預金や外貨建て保険などがあります。
まとめにかえて
複利の効果を使った資産運用に興味を持たれた方、やっぱりまだよく分からないという 方はアドバイザーに相談してみるのも良いでしょう。失敗しないコツはしっかり時間をかける事です。
日本人の投資信託の平均保有期間は約3年と短いのですが、それでは複利の効果を活かせません。
この記事を読んでくださった方はぜひ今年、時間と複利を味方につけて資産運用を楽しんでいただければ幸いです。
参考資料
尾崎 絵実
