貯金ゼロの危機…「使途不明」「借金返済」「教育費」それぞれの理由

年収・年齢・家族の状況などにかかわらず、貯蓄100万円未満の世帯は存在することが分かりました。備えとなる資金がない「貯金ゼロ」の場合、その暮らしは危機に瀕しやすくなります。みなさんの体験エピソードを見てみましょう。

(1)「ムダ遣いしていないはずなのに…」

保険会社・正社員Aさん(31歳・女性)

「手取り収入は30万円を超えているのに、貯金がないんです。どうして貯まらないのか、よくわからなくて」と話します。貯金が苦手で毎月使い切るような生活。出費の多いときには赤字になることもあるようです。

「ムダ遣いをしているつもりはないし、普段の生活も質素だけれど、なぜかお金がない」と話すAさん。結婚を考える男性もいるけれど、目下の悩みは貯金額。彼からのプロポーズに少しおびえるような気持ちもあるようです。

「安定した職場で働いているのに…もし、彼に『貯金ゼロ』がばれたらと思うと恐怖でしかありません」と話します。

貯金がないということは、社会人として、結婚相手としてどうなんだろう。「彼にショックを与えるのでは」と気が気ではない様子。「質素な暮らしぶりだとは思うけれど、自分が気付いていない問題があるからこそお金が貯まらないのだと思う。でも、、どうしたらいいのかも分からなくて」とAさんはこぼします。

(2)借金返済で貯蓄ゼロ!

機器メーカー勤務、転職したいBさん(28歳・男性)

「きっかけは学生時代の奨学金です」というBさんは、機器メーカーの営業職。現在は、奨学金以外の借金もかさみ、返済が滞ってしまいそうで、貯金どころではないと言います。

在学中は助けてもらった奨学金ですが、社会人になると返済は負担となります。さらに就職後に自動車免許の取得が必要となったため、教習所の費用を分割して支払っていました。「もともと奨学金の返済もあるため、払い終わるまでに4~5年かかった」といいます。

借金をきちんと完済した経験はあるものの、その後、引っ越しが必要となるなど出費が続き、キャッシングやローンを利用することに。「会社の業績悪化で、頼みにしていたボーナスがガクンと減ってしまったんです。出費がかさんだ時期だったので、また借金することになってしまって」

月収は手取りで20万円程度。大幅な昇給の見込みはなく、それまでの返済生活で貯金がなかったBさん。「もう30歳になるのに、完全に貯金ゼロです」と悩んでいます。

「転職は検討しているものの、毎日疲れ果てて帰るので転職活動の時間がない。給与水準を上げることを考えると転職するしかないと分かっているけれど」と、ぐったりの様子。